当方、茶道には全く関心がなく、今後も同様であるが、ある日何気なく雑誌の陳列棚を見ていたら表紙に
特集 定家様【ていかよう】、その書と力
と大きく掲げるなごみ【2月号】という「茶のある暮らし」を提唱する雑誌があった。
思わず手に取ってみるとそれが極めて秀逸
定家の業績、生きてきた時代、交流をわかりやすくきれいにまとめてくれている。
それに定家の公統ともいえる冷泉家のことも4ページにわたって紹介している。
現当主の冷泉為人【入り婿】・貴美子夫妻には子供がなく後継者には野村渚さんが決まったとは聞いていたが彼女についても詳しく紹介している。
今800坪の敷地に新たなお蔵を建てつつあるが国の補助金をもらえないことになってもコンクリートを使わない厚さ40センチの土蔵にするそうだ。
理由はコンクリートが100年を超える長期保存にどれほどのものか不明。鉄筋は50年で朽ちる。コンクリートは密閉性が高く機械換気設備にランニングコストがかかる。現御文庫は400年の実績があると。
更科日記が今日に伝わるのは定家が残してくれた写本1冊のおかげ。
その写本は宮内庁書陵部に保管されているが(最近国宝に指定された)その書庫は空調を使わず天気に対応した換気のON/OFFに依っていると聞いている。
空調保管庫が戦争などで電源喪失となったら保存は危うくなる。
冷泉家は今なお公家としての矜持を持っている。
なお野村渚さんは先代当主のお孫さん=貴美子さんの姪っ子とわかった。
京マチ子そっくりの妖艶なお姫様だ。
淡交社はさすがにいい本を出す。なごみ【2月号】は買っておくべき本と思う。
人の見る目は公平で大きな書店で売り切れで取次店にあったものを取り寄せてもらった。