古代東海道・更級日記の道

1020年、菅原孝標女が歩いた上総(千葉)から京への古代東海道を探索しながら進みます。

関東の道路史(建設省関東地方建設局)

題名から受けるイメージをはるかに超える内容を持つ。

絶賛に値する。

 私は政令指定都市に居住する。その市立中央図書館の方が県立よりはるかに近代的で優れているのでもっぱら利用しているが、ある日気まぐれに10年ぶりに県立中央図書館に行き、開架式棚を見ていて目に入った。

 市立中央図書館では見かけなかった。この種の本は多分寄贈配布だと思うが県には贈っても市町村図書館は数が多すぎて贈っていないのかも。

東京でも都立中央図書館には蔵書にあった。が、閉架式図書であり、この本の存在を知らない者には機能しない。都立中央図書館は開架式の数が少なすぎると思う。

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何が優れているかは本の目次=構成でわかる。

1古代の道 2中世の道 3江戸時代の道 4明治から戦前の道路 5現代の道とあるが、

1,2,3それぞれについて

年表、社会と道の移り変わり、関東の道の姿、関東の道と文学 世界の道の項目がある。

広範かつ体系的網羅的。歴博レベルを超える。

あまりのすばらしさにコピーでは足らず本自体の購入をと考えたがもちろん市販されていない。

メリカルに唯一1冊あったので確保できた。

 

この本は40周年記念だそうで(平成10年発行)、だとすると50周年記念の発行も待ち遠しいが、コロナの影響で遅れているのかも。

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とにかく交通論を説き、学ぶ方々にとっても視野が狭くならないよう、悪く言って専門馬鹿にならないようこの本の閲読をお勧めしたい。

なにしろ、サイクリングロードや平成7年開業の新交通システムゆりかもめ」のことまで載っている。

 

 

 

後者には悲しい思い出もある。

人事担当者として電話で話したこともある若い技術者が「ゆりかもめ」に出向したが、ある日初の人身事故で轢死したとのニュースが入った。

実習なのか複数で軌道上を歩いていたらしいがゆりかもめは運転者のいない無人運転

(指令室で各車両の状態を遠隔監視しているが)

 

今話題の自動運転の先駆けだ。そのリスクを考えてしまう。