古代東海道・更級日記の道

1020年、菅原孝標女が歩いた上総(千葉)から京への古代東海道を探索しながら進みます。

県史‣市史のこと ―市川市史ー

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市川市

 地域についての総合的体系書ともいえる県史,市史を出している自治体が少なくない。

学術性的性格は高く、しかも愛郷心で裏打ちされているせいか中央の出版社や行政機関ならカットするようなものも極力丁寧に取り上げており一級の資料価値を有するものが多い。

地元についての大切な事柄ということもあってか紙質はよくカラー写真も多く採算を度外視していることがわかる。

 図書館で目にした写真の3冊は平成28年(自然編)、平成31年(歴史編Ⅲ)、令和2年(歴史編Ⅳ)発行という新しいものである。

 このうち歴史編Ⅲは質・量ともトップクラスではなかろうか。特に1章3節「葛飾の覇者」執筆者白井久美子氏はもともと県の職員であったためか、市川市に限定しない広い視野からの論述態度をお持ちのようで広く見たいとおもう関心者には援軍になると思う。

 例えば、国府台北部の松戸市流山市の遺跡、都内江戸川区葛飾区、墨田区など東京低地についても言及されている。

また、東京医科歯科大学教養部(市川市国府台)内にある法王塚古墳についても調査先駆けは1951年の東京教育大学考古学研究室による測量調査で、この時の報告では「鳳凰塚古墳」と呼称されていると記すなど学者らしい態度だと思う。

 

 

この図書、館内のみ閲覧可なので、割高であるが館内コピーすることにし、30頁終えたところで巻末を見ると、なんと千円(450頁)!

市民が手にできるような価格設定は素晴らしい。どう見ても5千円以上の価値がある。

市役所に電話すると残り1冊とのこと。電話予約して急遽購入に出かけた。