古代東海道・更級日記の道

1020年、菅原孝標女が歩いた上総(千葉)から京への古代東海道を探索しながら進みます。

新聞記事を読んで思うこと

   

 

上は読売新聞地方版(千葉)の記事

これを見て思うところがとても大きい。

① 新聞、テレビなんて見ない。ネットニュースで十分という意見が流行であるがこれはネットに出ないだろう。この記事を見ていない人は知らないまま終わる。

② なんとなく全国版記事がより価値があるかに思われがちであるが、地方版にしか載っていないのであればその分野に関心を持つ者にとっては地方版こそ有価値ということになる。全国記事になるもの、例えば高松塚発見!などはそこらじゅうで取り上げられるので特定の媒体に限定して有意性が認められることにはならない。

 公立図書館の「地域情報」コーナーがオンリーワンの宝の山と思われているのもそううことだろう。

③ ところで左の写真(9.23)は市川市国分にある国史跡「北下瓦窯(きたしたかわらがま)跡」に関するものと木更津市(上総国)の「金鈴塚古墳」に関する二つの記事になっており、右の写真(9.24)は下総国国府が置かれていた市川市国府台の「国府台遺跡」に関するものであるが、そもそも

 北下瓦窯(きたしたかわらがま)跡は2004年東京外郭環状道路の建設に伴う発掘調査で出土しもの

国府台遺跡は県営住宅の建て替えに伴う2016年からの調査に関連するものとのこと

 遺跡関係の発見と公共工事との関連性は相変わらず強いようだ。公共工事は考古学にとって害悪なのか発見の端緒となる恩人なのかどうなんだろう。

④ 考古学関連の記事を二日連続で出すということに良い意味で思うものがある。

千葉地域版の記事編成に決定権のある幹部記者が考古学というか歴史に関心、理解を持っているということだろう。他紙では記事にならなかった以上そう言って間違いなかろう。 逆に怖いことも。当該記者が人事異動で去ったらどうなるか。

いや、読売新聞社は秋の正倉院展の主催者にも連なるから社としての関心が高いのかも。

 人気ユーチューバーひろゆき氏は文系人間であるが、歴史で古墳のことを勉強することに何の意味があるかと公言している。こういう人が支局長なら二つともボツ記事になる公算が大きい。

 この種のことはいろんなところで生じる。学閥、有名大学の同窓会組織、出身地域による広義でのひいき・偏見などと。

同じグループに属するものには暖かく接し、能力のあるものなら引き上げる。しかしグループ外の者には優しくないとするなら問題だ。

 関東のある学者が学会で東国に関するある発表をしたら伝統的畿内の学者先生に(遅れている)東国にそんなことがあるはずがないと一蹴されたそうだ。

ある考古学者の文献を読んでいて面白いことに気が付いた。西国の国立大学の教授時代の著述には東国の遺跡に関する記述はほとんどなかったのが国立歴博(佐倉市)に異動後の著述には出るようになったのだ。

 学者である以上新聞以上に広く公正な取り上げを期待したい。