古代東海道・更級日記の道

1020年、菅原孝標女が歩いた上総(千葉)から京への古代東海道を探索しながら進みます。

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

古代東海道 武蔵国⑦ 浅草から上野は考古学上重要地域

関東の考古学という本があった(1991年初版、学生社)。執筆者7人中6人が関東の大学を出て関東の大学や公的機関で職に就いている中、一人同志社大を出てそこの教授をしている方がいらっしゃる。森 浩一という先生で大変高名な学者らしい。 ちらっと拝見する…

古代東海道 武蔵国⑥v2 別の道で谷中霊園(豊嶋駅家)へ

(末尾に追記があります) 現在地から目的地へ行く場合に、出発箇所ではいくつかのルートがあるとしても目的地近辺の都合から遡って出発ルートの選択が限られる場合もある。 思考経済上も目的地近辺の(歴史的)地理を見ておくのが有用に思う。 江戸時代はつい最…

古代東海道 武蔵国⑤ 大関横丁(三ノ輪)から谷中へ

隅田川の渡し(白髭橋の少し上流か)で対岸石濱あたりへ渡河するまではわかるとしてその先がはっきりしない。 豊嶋の駅家が谷中とする説を前提として石浜から三ノ輪までのルートのついては前に述べた。大関横丁交差点付近については次のように考えている。 …

寄り道して樋口一葉記念館と旧居へ

大関横丁交差点でどうしたものかと途惑い、とりあえず交差点角にあったMACに入り、一人作戦会議。 地図を見ると一葉記念館が近いではないか。 交差点角は三ノ輪1丁目。その南は竜泉3丁目。 さらいえばその東南に位置するのが千束4丁目、旧吉原だ。 せっか…

古代東海道 武蔵国④ 歴史的農業環境閲覧システムと荒川区南千住から台東区三ノ輪駅近辺へ

前回、明治13年~19年の迅速測図原図に隅田川貨物駅の広大な線路が見えているのは早すぎないかと疑問を述べたが、歴史的農業環境閲覧システムの解説をよく読むと「現在の道路(赤線)、河川(水色線)、鉄道(灰色)」と書いてある。 黒っぽく見えた鉄道の軌跡は灰…

古代東海道 武蔵国③ 荒川区南千住/汐入(その1)

隅田川には渡しが20前後あったという。 下総から続く古代道との接続を考えると渡った箇所は隅田(住田)の渡しであろう。 では隅田の渡しはどこか。 現在の水神大橋と白髭橋の間、隅田川神社の対岸当たりではと推定されている。 そう考えて対岸の地に行って見…

ドライブ・マイ・カーに関する感想その2

西島秀俊主演、濱口竜介監督が村上春樹の短編を映画化した『ドライブ・マイ・カー』が、全米批評家協会賞にて作品賞、主演男優賞など4部門を受賞。 というニュース。 前に感想を述べた後、原作を読んでいるのでそのあたりの感想を。 原作と脚本でどの程度の…

古代東海道 武蔵国② 隅田川のほとりで考える最近のこと

市原市界隈から始めてここ隅田川ほとりについての考えをアップするまでの短い期間であるが、結構考えさせてくれる事柄が生じている。—決して芳しくないものではなく、むしろ逆であるが—。 1はNHK大河ドラマで今日2022年1月9日から始まる「鎌倉殿何とか」関…

迅速測図と活用v2 / 古代東海道 下総国㉟

迅速測図(圖) 1⃣比較的新しく歴史・地理について書かれたものを拝読すると参考文献として迅速測図を挙げる人が多い。 研究者はむろん、郷土史家、はたまた町内会のレポートまで。 例 市川市中国分町自治会には中国分史書編集委員会なるものまであって格調高…

古代東海道 武蔵国① 入国した隅田川先の古代道比定・推定は困難

白髭橋(隅田川)を渡れば武蔵の国 下総の国江戸川から隅田川までは前記のとおりここが古代道だろうと推定される道があるが、隅田川の渡し場(☆A)から豊嶋駅家(☆D)に至る道についてはハッキリ比定する方はいないようだ。 「地図で見る東日本の古代」も東武鐘…