古代東海道・更級日記の道

1020年、菅原孝標女が歩いた上総(千葉)から京への古代東海道を探索しながら進みます。

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

殿塚・姫塚古墳の研究

モダンできれいなカバーの本だ。 ただし、題名は難しそうで敬遠したくなる。 殿塚・姫塚古墳の研究 ―人物埴輪の3次元計測調査報告書― 専門的かつ高額そうで当方には縁がなさそうだがちょっと手にしてみた。 3700円とこの種にしてはお安い。 鹿島学術振興財…

滝口 宏氏のこと

昔、学生の頃、T医科大学に進学した友人とおしゃべりをしていたとき 「滝口 宏」って知っている?と聞かれた。 私、高松塚の壁画が話題になればすごいねとは思うけど特に考古学には興味があるわけ でなく、その名前、聞いたことがあるような無いような感じだ…

手に汗を握るような遺跡の報告書 武田宗久氏と滝口 宏氏

以前、紹介した遺跡調査報告書*について 非本質的な事柄かもしれないが、最近の整った役所的・公文書的報告書にはない、舞台裏の手に汗握るような、胸を打つ箇所があった。 発掘や調査にあたる人々の熱意や苦労が偲ばれるし、研究者への支援を考えるとき参…

古代東海道・下総の国⓰ ①から⑮の自説ルートと信用性

千葉中央遺跡通りなどと勝手なネーミングまでして、識者のお叱りを受けそうだ。 こういう時、学者と歴史を扱う小説家の対談を読むと面白い。 大昔のことなどしっかりした記録書がなく、細緻にわたってまでわかるはずはない。考古学的・科学的知見などごく一…

古代東海道 下総の国⑮ 千葉神社から北進して鉄道と市民会館にぶつかる。

吾妻町通りをまっすぐ進んで行く。 街の雰囲気も変わってくる。 地方道40号千葉神社通りに合流する。 斜め左に進む。 そのまま進むと鉄道にぶつかってしまう。 千葉市民会館が眼前に立っている。 ここで古代からの道と推定する道は分断されてしまっている。…

古代東海道 下総の国⑭ 千葉寺→亥鼻→河曲驛(かわわのうまや)」へ V2

では千葉寺観音を後にしてこれから進む道を古い110年前の地図で見て見る。 千葉中学校、県庁、裁判所、医科大学、左上に千葉神社と廃寺になっている大日寺が見える。 千葉寺三叉路 千葉寺のそばにあるカトリック教会 下りとなる。 二股に分かれる。バスが通…

古代東海道 下総国 ⓭ 千葉寺と書「千葉寺いまむかし」を読んで

千葉寺界隈で足が止まって進まない。これではいつ京へ着くのか。 更級日記を世に出してくれた定家にかかわる冷泉家についての新聞2面の広報ページが魅力だったし(2021.7.4)、 (全景俯瞰図を隣の同志社大から撮っているが、私もそうした。人のやることはプロ…

芥川賞・直木賞と女流作家

両賞受賞者4名中3名が女性 このところそういう傾向が強い。 女が半数なのに地位の半数を得ていないのはけしからん、などという必要はないでしょう。 女性枠をとかいうのはそもそもおかしい。 ワクチンの効果,副反応を見てもわかるように生理的その他で想像…

古代東海道・更級日記の道 下総の国⑫ 狐塚古墳v2

既出の下記報告書(*)の3ページ「序章 遺跡の概観」第1節に短いがきわめて印象深い一節があった。 「 古墳の分布をみると海岸平野に面した台地の縁辺は、早くから開発されたため分布は極めて希薄であるが、千葉寺地区遺跡群の2.5㎞南にはかって狐塚古墳とい…

古代東海道 下総国⑪ 観音塚遺跡報告書と現況

千葉市観音塚遺跡(千葉寺地区遺跡群)について 千葉寺は12世紀に観音塚あたりからから引っ越してきたという伝承もある遺跡についての報告書である。 観音塚という名称はあちこちにあるようなので千葉市観音塚遺跡と言った方がいいのかもしれない。また発掘調…

古代東海道 下総国 ⓾ 千葉寺跡と青葉の森公園、荒久古墳、観音塚遺跡

「千葉県の資料」に「114千葉寺跡」という項目があり、更級日記への言及もあるので紹介させていただく。(この項著者 糸原 清氏) 発掘調査すると必ずや?その報告書が出るようであるが、下手な市販の案内書よりずっと広く深い。 この№114も千葉寺跡さら…

古代史(文献史学)と考古学

「千葉県の歴史」という電話帳というか広辞苑のような分厚い本があった。 社史のような自己礼賛の書と思ったらとんでもない体系的良著だった。 網羅的内容で研究者にも、専攻する学生にも、私のようなにわかファンにもとても参考になる。 本のことは別に述べ…

古代東海道 下総国 ⑨ 千葉寺と千葉寺廃寺 その2

この本、単なる観音巡礼の案内本かと思ったら、そうではなかった。 他の公的解説本には載っていないことが記されている。調査能力、努力に敬服すべきものを感じる。 千葉寺の盛衰につても以下のように記述されている。 ・縁起とは天和の頃編纂の「千葉寺縁起…